ぐるーぷ31の活動に関する過去の記事
第28回 調査研究発表会報告「そのフレーズ、消費者の思い込みを誘っていませんか」
最近、テレビや新聞、WEBなどで耳に残り、目に留まる保険関連の広告がある。再三流れるテレビCMや新聞で何度も目にする一面広告を見るうちに「無制限」「無料」「保険料が全額リターン」「月々480円で100万円」などのフレーズが気になり「本当か?」「どんな仕組みになっているのか?」と、ぐるーぷ31のメンバーから疑問が起きた。そこで、メンバーは手分けしてそれらの広告について調査研究を行い発表した。
<調査研究の対象になった課題と結果>
1.リターン保険の広告
「払い込んだ保険料の使わなかった分をリターンします」と、医療保険商品のパンフレットに
赤字で大きく記載されている。入院・手術等の給付金受取り事由が発生しなかった場合、保険料を返金するというのだ。パンフレットを隅々まで丹念に見ると、「払い込んだ保険料」について「被保険者が所定の年齢に到達する契約応当日の前日までの既払込保険料相当額(各種特約の保険料は含みません。また、特定疾病保険料払込免除特則を付加せず、死亡保険金を担保しないものとして計算します)。ただし、所定の年齢に到達する前に保険料払込の免除事由に該当した日までの既払込保険料相当額とします」と記載されていた。消費者にとって理解困難な文章である。要するにリターンの対象になる保険料は、特約、特則の保険料を除外した主契約の保険料のみで、しかも所定の年齢までの既払い保険料であるとわかった。所定の年齢以降はリターンされない。
2.健康志向保険(特約)、そのメリットは
毎年の健康診断結果を保険会社に提出すると、その結果に応じて保険料がキャッシュバックされるという健康志向保険が大手生保中心に増えてきている。たばこを吸わない、血圧は正常値など、毎年、健康診断結果が良ければ一定の保険料割引があるが、結果が悪い場合、当健康志向型保険(特約)でない保険より、保険料が高くなる場合もある。WEB広告などでは、保険料が安くなる部分が誇張されているが、安くなる条件をしっかり把握したうえで加入、或いは特約付加を考える必要がある。
3.就業不能保険における精神疾患
生損保において、就業不能時の保障(補償)として保険や特約の広告を見かけることが多くなってきた。パンフレットや広告では就業不能に陥った場合、即、給付(補償)される印象を受ける。しかし、働けなくなった理由は躁うつ病などの精神疾患がトップ(全国健康保険調査から)だが、精神的な病気は対象外、或いは他の疾患に比べ給付(補償)条件が厳しくなっている。また「加入前発症の病気が起因として保険金が払われなかった」「総所得ではなく基本給に対する補償しか受けられなかった」「リハビリ通院によって仕事を休んだが給付対象外とされた」などの苦情も多い。
4.自動車保険のロードサービス
自動車保険のテレビCMやWEB広告等で声高に補償内容の良さをアピールしている各損保会社のHPを見てみると、ロードサービスについて「充実のサービス」「ご利用は無料」「24時間、365日全国〇〇ヵ所から駆け付けます」などメリットは大きく掲載されていた。しかし「作業内容によっては費用負担が発生する」「クレーン使用の場合はお客様負担」や「レッカーの無料サービスは当社指定の修理工場まで」などの制限事項がある。しかし、HPではアイコンの項目とリンク先の項目が一致しない、注意書き文字は小さくなっていたり、色が薄く表示されているなど読みにくく、見つけにくい状態だった。事故時の対応窓口も「事故の連絡をしたがすぐに対応してくれなかった」など、ロードサービスに関する苦情相談は少なくない。
5.少額短期保険の更新
新聞の一面広告に50代女性の安価な保険料を大きく表示し、「手ごろな保険料でお葬式代程度を備える」「この先のお金が心配だったら・・・」などの記載と共に「葬式代(費用)」「70代、80代のシニア世代からの・・・」「終活」など、高齢者をターゲットにした少額短期保険の広告が最近目につく。根拠法がなく監督官庁もなかった任意共済(無認可共済)が、2005年、保険業法の改正によって、現在では保険業法で規制され、少額短期保険業(一部を除き)として商品販売をおこなうようになった。保険期間は1年(損害保険は2年)と規定されているため、契約を継続するには毎年更新しなければならない。広告の片隅に小さな文字で記載されているが見にくく解りにくい。広告に大きく表示されている保険料は翌年には上がる。以降1年から5年ごとに上がり、平均寿命あたりで保険料の支払い総額が保険金を上回る。
NPO法人「消費者情報ネット」コネット(Consumer's Information Network)は、消費者問題の専門家集団です。






おしらせ
第18回総会&解散総会のご案内
日時 2023年4月22日(土) 10時から
場所 大阪産業創造館 5階研修室A
記念講演会
テーマ「どうしてコネットはできたのか?想い出を語る
〜消費者団体のつくり方〜」
講師 坂東俊矢氏(京都産業大学教授・弁護士・コネット会員)
◎終了後、食事会を予定しています。
◎コネット会員・賛助会員企業の皆様には近日中に総会資料をお届けします。
問い合わせ先 コネット事務局 connet@npo-connet.org
第29回 調査研究発表・意見交換会のご案内
※終了しています。報告は「ぐるーぷ31」のページをご覧ください
日 時 2022年10月14日(金) 13:30〜16:30
場 所 エル・おおさか(大阪府立労働センター)南101
テーマ
1部 「クーリング・オフの電磁的記録って解る?」
「契約更新後の契約内容は消費者に理解しやすいか?」
2部 意見交換会
参加費 資料代1人3,000円 コネット賛助会員1人1,000円
参加方法 会場での参加とZoomオンラインとの併用とします。
お申込み 企業名・所属・お名前・参加方法を書いてメール
にてお申し込みください。
オンライン参加の方には後日招待URLをお送りします。
主催 NPO法人消費者情報ネット 生損保研究会ぐるーぷ31
問合せ Mail connet@npo-connet.org 電話 06-6311-3456
第17回総会と記念講演会(公開講演会)のご案内
※終了しています。次回総会については後日ご案内いたします
日時 2022年5月14日(土) 10時〜12時
会場 大阪市中央公会堂 大会議室
開催方法 会場とZoomオンラインを併用します
プログラム
総会 10時〜10時45分
記念講演会 11時〜12時
講師 鈴木 尉久弁護士
テーマ「消費者契約法の改正について」
記念講演会は公開講演会とします。
申込先 コネット事務局 connet@npo-connet.org
メールアドレス、お名前、所属を書いてコネット事務局までメールでお申し込みください。
参加費は無料 締め切りは5月9日
チラシを添付します。