ぐるーぷ31の活動に関する過去の記事

来店型保険ショップ・銀行窓販等の代理店販売の実態

ぐるーぷ31は、毎年恒例である調査研究発表会を2014年7月25日(金)に開催しました。

現在、複数の保険会社の保険商品を扱う“来店型保険ショップ”といわれる乗合い代理店が年々増加しているなか、金融庁が消費者に不利な営業を防止するために規制強化に踏み切ることが明らかになりました。このことから今年度のテーマは、「来店型保険ショップ・銀行窓販等の代理店販売の実態」としました。

ぐるーぷ31のメンバー10人が、5月~6月にかけて、来店型保険ショップ、銀行、そして自動車保険や複数の生命保険の販売も行うようになった郵便局など、約33か所の店舗に一般消費者として出向き、どのような対応を行っているのかを知るための実態調査を行いました。その調査項目と結果は以下の通りです。

<主な調査項目>

①個人情報の開示を求められるのか
②相談対応者は募集人資格を有しているのか
③提示商品数
④社会保障制度の保障説明はあるのか
⑤既契約の診断、見直しに対するアドバイスは適切か

<調査結果>

①個人情報の開示
既契約の見直しの場合は、必然的に開示しなければならないが、半数ぐらいは開示なしで保険商品の説 明をしてくれた。銀行の窓口は、顧客でなければ軽いあしらいで、保険商品の説明は雑という印象を持った。

②相談対応者の募集人資格の有無
保険商品の説明を行った対応者から渡される名刺の肩書には、「ファイナンシャル・プランナー」「AFPファイナンシャル・プランナー」が一番多く、他に「コンサルタントデザイナー」「コンシェルジュ」「2級ファイナンシャルプランニング技能士」「営業」などで、唯一「TLC(生保協会認定FP)」という肩書が募集人を示すものなのかと思った。名刺すら渡さない対応者もあり、募集人資格があるのかないのか分かりにくい。対応者自ら募集人資格があると言ったのは1人だけで、募集人資格はあるのかと尋ねた調査員に対し「ある」と答えた対応者もいた。

また対応者が作成してくれた保険設計書に、作成者として“募集人○○○”と記載されていたが、対応者とは別名というのもあった。

③提示商品数
店頭に置かれているパンフレットの種類はかなり多く、ホームページ上や対応者のはじめの説明でも20数種類以上の保険商品を扱っているという説明があるのだが、勧められるのは1~3社の保険商品で、それを勧める根拠の説明が乏しく、保障の良さが重点的に説明され、保障条件の注意点に関する説明はほとんどなかった。よって、保険商品を比較検討することは難しいことがわかった。

④社会保障制度の説明
保険ショップ等に置かれているのは医療関連保険が中心であることから、消費者が加入している社会保障制度についての説明も重要と考える。公的な健康保険や介護保険制度について、しっかり説明し、それらを補完する最低限の加入で良いと説明するところもあったが、全く説明が無いところや、説明があっても公的な医療関連保障では足りないので保険商品に加入しておいた方が良いという説明に使われていた。中には、「医療機関が『がん保険に加入しているか』と聞いてくる。加入していれば健康保険を超えた手厚い治療が受けられる」とがん保険の加入を勧める対応者もいた。

⑤既契約の見直し
来店型保険ショップ等は“既契約の保障の診断”或いは“見直し”を無料で行うというキャッチコピーを掲げている。しかし、予約時に持参するよう言われた既契約の保険会社が勧める見直しプランについてしっかり説明ができ、適切なアドバイスがあったのはわずかな対応者だった。見直しプランの設計書を見て「転換プランで保険料が高い」と言うだけで保障内容の説明が無かったり、チラッと見て「他社のものを見てもよく分からない」と言う対応者や転換制度自体知らない対応者もいた。

<実態調査から見えてきたもの>
調査した保険ショップのほとんどが、強引な勧誘は無くソフトな対応だったが、募集人資格を持つか否かは不明な対応者が多く、消費者は再委託販売か無資格の者に勧められているかはわからない。また、店頭に並ぶ多種のカタログやテレビCM、広告から消費者は、数多い商品の中から適切なものをアドバイスしてもらえる、という印象を持つが、提示される商品の数は少ない。提示商品が消費者の意向をしっかり聞き取ったうえで、意向に沿った商品であれば良いが、簡単な質問だけで充分な聞き取りはできていない。勧める商品の保障説明はあっても、保障条件の注意点の説明はほとんど無く、消費者にしっかりとした保険知識がなければ、保険ショップ主導で進み、消費者が商品の比較検討をすることは困難である。既契約の保障の診断に至っては、他社の保険設計書は読解できない対応者が多かったのには驚かされた。
また、店舗等で置かれている保険商品のパンフレットが消費者には分かりにくいため、どうしても対応者の説明に頼ることになってしまう。消費者にとって重要な注意事項などの説明は店頭では行われない場合が多かったことから、消費者が主導権を持って保険商品が選べるよう、もっと分かりやすく読みやすいパンフレットを保険会社は製作すべきと感じた。
これらの調査結果を報告し、*参加者に対して「今後、保険ショップ等で自社の保険商品の販売を委ねている保険各社は、しっかりと実態を調べ、監督責任を果たしてほしい。金融庁は『保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキンググループ』で問題提起している保険募集人について業界団体の自主的な取り組みに委ねるだけでなく、このような実態を踏まえたうえで保険ショップ等の規制強化に取り組んでいただきたい」と伝え、閉会しました。

参加者:36名(生命保険協会・日本損害保険協会・生命保険文化センター生命保険会社9社・コネット会員

NPO法人「消費者情報ネット」コネット(Consumer's Information Network)は、消費者問題の専門家集団です。

テレフォンホットライン 生損保研究会「ぐるーぷ31」 葬儀研究会「パラダイス」 企業セミナー クレジット研究会 その他コネット事業

おしらせ

第18回総会&解散総会のご案内

日時 2023年4月22日(土) 10時から
場所 大阪産業創造館 5階研修室A

記念講演会
テーマ「どうしてコネットはできたのか?想い出を語る
    〜消費者団体のつくり方〜」
講師 坂東俊矢氏(京都産業大学教授・弁護士・コネット会員)

◎終了後、食事会を予定しています。
◎コネット会員・賛助会員企業の皆様には近日中に総会資料をお届けします。
問い合わせ先 コネット事務局 connet@npo-connet.org

第29回 調査研究発表・意見交換会のご案内

※終了しています。報告は「ぐるーぷ31」のページをご覧ください

日 時 2022年10月14日(金) 13:30〜16:30
場 所 エル・おおさか(大阪府立労働センター)南101
テーマ 
 1部 「クーリング・オフの電磁的記録って解る?」
    「契約更新後の契約内容は消費者に理解しやすいか?」
 2部 意見交換会
参加費  資料代1人3,000円 コネット賛助会員1人1,000円
参加方法 会場での参加とZoomオンラインとの併用とします。
お申込み 企業名・所属・お名前・参加方法を書いてメール
にてお申し込みください。
     オンライン参加の方には後日招待URLをお送りします。
主催  NPO法人消費者情報ネット 生損保研究会ぐるーぷ31
問合せ Mail connet@npo-connet.org  電話 06-6311-3456

第17回総会と記念講演会(公開講演会)のご案内

※終了しています。次回総会については後日ご案内いたします

日時 2022年5月14日(土) 10時〜12時
会場 大阪市中央公会堂 大会議室
開催方法 会場とZoomオンラインを併用します

プログラム
総会 10時〜10時45分
記念講演会 11時〜12時
講師 鈴木 尉久弁護士
テーマ「消費者契約法の改正について」
記念講演会は公開講演会とします。

申込先  コネット事務局 connet@npo-connet.org
メールアドレス、お名前、所属を書いてコネット事務局までメールでお申し込みください。
参加費は無料 締め切りは5月9日
チラシを添付します。